カジノ賭博の黄金時代とはまったく異なり、現代の賭博は主にインターネット上で行われています。デジタルトランスフォーメーションが賭博とゲーミング市場を推進し続ける中で、オンラインカジノの合法化を牽引する国々も現れ、中でもカナダは積極的です。
賭博に対するカナダの進歩的な取り組みに影響され、世界の他の国々もオンライン賭博を規制する法の自由化を進めました。米国を含む多くの管轄区が、賭博産業に適用すべき権利や規制をめぐって、ますます長期戦の様相を呈した戦いに関与しています。
カナダの賭博政策が米国のゲーミング法に影響
モントリオールに近いファースト・ネーションの先住民コミュニティーである、カナワクのモホーク族の居留地は、1996年に賭博委員会を設立しています。カナワク賭博委員会は、カナダ国内でのオンラインポーカーとカジノに対してライセンスを発行しました。規制されたゲーミングへのこの最初の試みは瞬く間に広がり、2020年末までにはカナダの多くの州がオンラインゲーミング合法化の最終決断に取り組んでいました。
米国の賭博法が、北部に隣接する国の後に続くと推測する理由はないものの、カナダの賭博関連の法律が米国の賭博に影響する可能性を示唆であるものの先例は存在します。例えば、ミシガン州は、国境を超えたすぐ対面に位置するオンタリオのゲーミングアクティビティ大きな影響を受けた過去があります。
ミシガン州のオンラインゲーミング産業には、新たな時代がやってきているのです。つい昨年、グレッチェン・ホイットマー州知事が、オンライン賭博を合法化する議案に署名しました。今日、ミシガン州はオンラインポーカー、スポーツ賭博、カジノ様式のゲーム、そしてファンタジースポーツ競技を許可しています。米国でいくつかの州が進歩的な賭博政策を主導している事実は、この分野でさらなる発展があることの前兆と言えます。オンライン賭博に関連する問題で発生する法的課題やその他の問題はあっても、この事実は変わりません。
ゲーミング自由化への実質的な課題
オンラインゲーミングは恒常的に変化し続けており、それを支配する州や連邦政府の法律も変わっています。事実、米国の法令は世界で最も複雑で深く踏み込んだオンラインカジノに関する法律を含んでいます。賭博法は、一連の単純な法律と政策を制定すればいいように思えますが、賭けをしたり、賭けを受け取ること、カジノへの支払いの便宜を図ること、そしてウェブサイトで宣伝することには、多数の法的問題が絡む可能性があります。
議会はオンラインゲーミングのトレンドに懐疑的
議員や規制当局は、オンラインゲーミング分野の公平性に疑問を投げかけ、ゲームのパブリッシャーが、多様なゲームの勝率を正確に或いは正直に開示していないとの懸念を示しました。政策立案者も、これらのゲームのメカニクスとアルゴリズムの多くが、依存的傾向を標的にしていると考え、慎重な態度をとっています。個人金融情報を取り扱うオンライン企業にとっては、消費者保護とプライバシーに関わる問題を避けて通ることはできず、これらの既存の問題がさらに懸念を深めています。
どちら側の立場も十分に検討され尽くしていますが、現在のところ、連邦レベルで明確な解決が見られるとは思えません。そのため、およそ20年前に連邦法が改正され、合法化への扉が開かれて以来、州はゲーミングの自由化を主導してきています。現状では、賭けを受けるウェブサイトとそれを背後で運営する事業体が米国内に居住していない限り、オンラインでの賭けを禁止する連邦政府の法律はありません。しかし、こうしたアクティビティは州や地方の法律で禁止されている場合があり、多くのオンライン賭博が今でも通信法の対象になっています。
連邦法は、オンライン(電話やその他の媒体は許可されない)でのオフショア賭博のみを許可しており、カジノやポーカー様式のゲームのアクティビティに制限しています。米国の銀行は、オンライン賭博の取引処理を禁じられています。この違法性のため、サイトは米国内のプレイヤーからの賭けを受けることを躊躇するのです。
州がオンラインゲーミングの合法性を試す
2002年、第5巡回区連邦控訴裁判所は、通信法に含まれる賭博禁止はスポーツ賭博にのみ適用するとの判決を出し、2011年には司法省が法執行の態度をそうした立ち位置に合わせました。このことは、各州がオンラインでのロッタリー販売、デジタルポーカー、バーチャルカジノなど、別の形での賭博を考える道を開きました。
それ以前の通信法の解釈では、スポーツ賭博は明らかに禁止されていましたが、方針が変わったことで、合法的で規制されたスポーツ賭博に対するバリアが無くなりました。2019年、司法省はスポーツ賭博を連邦法による禁止から除外した歴史的な最高裁判所の判決に続いて、通信法に対する自らの意見を修正しました。それ以来、いくつかの州が合法的なスポーツ賭博と公認されたオンラインでのゲーミングアクティビティに扉を開きました。
米国全土に跨る賭博合法化の傾向
オンライン賭博に関して、各州はそれぞれの立場を守っています。州政府は、賭博が許可されている場合には、どのような条件下で経営できるかを決定する力を握っています。オンライン賭博の規制に対する態度やアプローチは、州によって異なりますが、ある種の傾向が見え始めています。
例えば、ニュージャージー州とペンシルバニア州は、段階的アプローチを組み込んだ受けが良い政策を策定しました。ニューハンプシャー、ロードアイランド、デラウェア、ワシントンD.C.、ウェストバージニア、テネシー、イリノイ、インディアナ、アイオワ、ミシガン、コロラド、モンタナ、ネバダ、オレゴンなど、その他の多くの州が独自の賭博規制を制定しています。オンラインによるスポーツ賭博、オンラインカジノ、オンラインポーカー、あるいはそれらの組み合わせなど、提供されているものは州によってさまざまです。オンラインカジノによる詐欺や悪用から消費者を守るために、特別な処置を取っている州もあります。ミシガン州の『Lawful Internet Gaming Act (合法的インターネットゲーミング法)』は、インターネットゲーミングの運営組織に対し、詐欺防止の技術を設計・導入することを求め、特定のバーチャルアクティビティに関して制限や制約を課しています。
オンライン賭博の現実
米国は賭博法に対して自由化を進めており、オンライン賭博企業はオフショアではなく、オンライン賭博が許可されている州に基盤を置くようになってきています。それでも、インターネットカジノは、オンライン賭博の安全性を維持し、運営の合法性を確実にするために、蜘蛛の巣のように張り巡らされた地方及び州規模の規制に直面することになります。
例えば、多くの企業がプレイヤーにアカウントの開設を求め、IPアドレスやGPSまたはロケーションベースのデータを利用して、物理的な位置を確認しています。この確認プロセスにより、オンラインカジノは、プレイヤーがそのプレイヤーが属する管轄区の法律を基盤に、リアルマネーでの競技ができるかどうかを判断することができます。スキルベースのリアルマネーのゲーミングが許可されていない州では、企業はリアルマネーではなく仮想通貨を利用することができます。
運が左右するゲーム対スキルによるゲーム
顧客が現地のオンライン賭博法を遵守しているか確認することに加え、オンラインカジノは、提供している各アクティビティが「運が左右するゲーム」または「スキルによるゲーム」であることを明確に識別するための努力を行っています。この区別は法律的に重要で、その違いの識別を怠ることは、オンライン賭博事業の存続を左右します。以下がその大まかな定義です。
- スキルベースによるゲームとは、プレイヤーの頭脳または身体的な専門性により決められる。
- 運が左右するゲームは、あらゆる種類のランダム化された要素に依存する。
「スキル」の定義はそれぞれの管轄区によって異なりますが、スキルによるゲームの賞金は、賭博賞金としては規制されません。一般的に、賭博と見なされるには、以下の3つの要素のすべてが揃っている必要があります。
- 賞金を伴うアクティビティであること。
- 競技をするには支払いが必要であること(プレイヤーは参加料を支払うなど)
- 結果は運により決まるものであること。
オンラインでのスキルによるゲームは、それが合法化されている特定の州では、賭博とは見なされません。しかし、運が左右するゲームを適切に分類しなかった場合、地方政府の法律に違反することがあり、ゲーミング規制は州によってかなり異なります。オンラインゲーミングの会社は、これらの区別を把握し、すべてのゲームが完全に法律に準拠していることを確認する責任があります。
運が大きな部分を構成するオンラインのリアルマネーゲームは、米国のほとんどの州では違法ですが、カナワク委員会から場所をリースすれば、カナダ人のプレイヤーはゲームに参加することができます。いくつかのオフショアのカジノがこうしたリースを得て、現在オンラインで運営しています。こうしたカジノのゲームには、ビンゴ、スロット、ルーレットなど、明らかに運が影響するものが含まれています。米国内で半自治国家的な体制を維持しているアメリカ先住民と関わることで、カジノ運営者は米国内でも店舗を構える手がかりを得ることができます。もちろん、解消すべき大きな法的問題はありますので、リアルマネーとスキル基盤のゲームについて熟知した弁護士に相談することを強くお勧めします。
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