ファンジブル・ファンディング: NFTのクラウドファンディングへの活用

ファンジブル・ファンディング: NFTのクラウドファンディングへの活用

ファンジブル・ファンディング: NFTのクラウドファンディングへの活用

1000 638 David Hoppe

最近、NFT(非代替性トークン)を活用して資金調達を試みる企業が増えてきています。NFTは、その適応性や柔軟性、更に構造から、ブロックチェーン上でユニークな商品の所有権を認証により譲渡させることができるため、伝統的ベンチャーキャピタルとコーポレートベンチャーキャピタル、デットファイナンス、株式売却に代わる有力な資金調達手段として注目されています。NFTは、スニーカーやアスリートのデジタル画像、あるいはツイートなど、ほぼ全てのものから制作・ミンティングすることが可能です。しかし、このようなNFT固有の特性は、複雑な問題を引き起こす可能性があります。本稿では、クラウドファンディングや資金調達にNFTを利用する前に、企業が留意すべき法的検討事項を考察します。

背景

クラウドファンディングのキャンペーンは、株式ベースか非株式ベースかにかかわらず、プロトタイプの構築、製品の発売、マーケティング キャンペーンの実施など、企業が特定のキャンペーン目標を達成するために資金を提供してくれる参加者を募るものです。このような参加行為は、寄付を記録するNFTとしてコード化され、募金キャンペーンに投資したすべての人によって所有されます。最近では、ユニセフ世界自然保護基金などの非営利団体が、資金調達にNFTを利用しています。ユニセフは、国連設立75周年を記念して、教育や子供たちのチャリティー資金とその意識向上のために、1,000のNFTを立ち上げました。営利目的の企業も、NFTによる資金確保のために同様の戦略を採用することができますが、その前にいくつかの重要な法的留意点を考慮する必要があります。

1.) 証券としてのNFT

証券取引委員会(SEC)は、資金調達のためのNFTの利用が従来の有価証券に酷似しているか、したがって規制の対象にするべきかを調査しています。NFTが「証券」の定義に該当するかどうかを判断するために、規制当局は「アメリカ証券取引委員会対W. J. Howey社事件」の判決で確立された主要なガイドラインを適用しています。この判決で、米国最高裁判所は、取引が「投資契約」に該当し、1933年証券法および1934年証券取引所法に基づく開示・登録義務の対象となるかどうかを判断するための4項目のテスト(後の「Howeyテスト」)を定めました。

  1. 資金を集めているか。

  2. NFTは共同事業を代表しているか。

  3. 寄付者は、利益を得ることを期待して投資しているか。

  4. その利益は他の人の努力のみから生じるものか。

これら4つの質問すべてに「はい」と答えた場合、NFTは証券法の対象となる投資契約に分類されます。クラウドファンディングを目的としたNFTがこの定義に該当することは容易に想像がつきます。NFTによる資金調達に、証券法の遵守が必要となるかどうかについては、NFT分野に精通した証券専門弁護士に相談されることをお勧めします。

2.) 担保としてのNFT

クラウドファンディングやその他の資金調達にNFTを利用する最大のメリットの一つに、融資を確保するための担保としての位置づけがあります。他の有担保ローンと同様に、借り手が返済を怠った場合、貸し手は担保を差し押さえることができます。しかし、NFT融資の場合、NFT所有者は自分のトークンを担保として提供することで、ERC20トークン、ステーブルコイン、その他の暗号通貨、または不換通貨という形でお金を借りることができます。借り手がローンの返済を怠った場合、借り手はNFTの所有権を喪失するリスクがあります。更に借り手が債務不履行に陥った場合、NFTは貸し手に譲渡され、貸し手が新たな所有者となります。一般的に、貸し手にとっては、貸出額が常にNFTの価値を下回るため、債務不履行は有利となるでしょう。

現在、新興企業がNFTを利用して資金調達するためのプラットフォームはほとんどありません。しかし、NFT融資の傾向が強まるにつれ、いくつかの既存プラットフォームが市場に参入しています。このようなプラットフォームのひとつであるArcadeは、個人および新興企業に対し、NFTを担保として独立系金融機関やエンジェル投資家から資金を調達する手段を提供しています。このプラットフォームは、膨大なNFTコレクション保有者が、デジタル資産を売却することなく、投資活用する方法を提供することを目的としています。借り入れ条件はプラットフォームによって異なります。

3.) 投資家を惹きつけ、投資価値を最大化するためのNFT活用

大まかに言って、スタートアップ企業の創設者は、投資家の獲得、市場シェアの拡大、出口価値の最大化という3つの大きな目標達成を望んでいます。NFTは、これらの目標のうち1つまたは複数を達成するために起業家を支援することができるのです。例えば、ビデオゲームのスタートアップは、NFTを利用してソフトウェアの配布を制限し、追跡することができます。NFTに関連する知的財産の所有権を認証することで、海賊版ソフトと正規ライセンスソフトを区別することができます。これによって、収益を保護、増加させ、企業と株主の双方にメリットをもたらすことができるのです。スタートアップ企業、特にソフトウェア販売企業は、正式な知的財産権保護の一時的な代用品としてNFTを活用することができるでしょう。同時に、NFTは従来の著作権や商標の保護に代わるものではなく、販売規約やライセンス契約に明示されていない限り、基本的なコンテンツの所有権は付与されないことを理解しておくことが重要です。

どんな企業やスタートアップでも、NFTを資金調達手段として利用することができます。米国証券取引委員会が発表したNFTを証券とする通達は、米国法における証券の定義がかなり広範囲に解釈される可能性があることを示唆しています。しかし、評論家は、Howey Testの基本的な論理はNFTのようなデジタル資産には適用されるべきではないと指摘しています。ビジネス上および法律上の問題が未解決であることから、NFTを利用して資金調達を計画している新興技術企業は、NFTの利用が証券関連法に抵触しないよう、弁護士に相談することをお勧めします。米国証券取引委員会コミッショナーであるへスター・パース(Hester Peirce)氏は、特定のデジタル資産が投資商品とみなされ、米国証券法に適用される可能性があると注意を促しています。法的にはグレーゾーンであることから、企業は慎重に対応する必要があるでしょう。

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David Hoppe

All stories by: David Hoppe