多国籍IT企業であるSITA は、2020年2月4日発行のプレスリリースで、航空輸送業界の整備、補修、オーバーホール(MRO)チェーンにおける新たなアライアンス構築を発表した。パートナー企業は、分散型台帳技術を利用して複雑な物流バリューチェーンが直面する課題を解決し、チェーン内での電子化を促し、メンバー間のデータ共有に対し、より堅牢で信頼性の高い正確な方法を提供すると言う。
MRO業界には2万社のサプライヤーがあり、年間250億個の部品を扱っている。現在のところ、業界内の電子化は部分的なものに留まっており、データ共有が不完全なため、これらの部品の記録には一元化されたデータベースはない。
SITA は、このアライアンスに関わるステークホルダーには「航空会社、貸与人、エンジンメーカーなどのOEM、物流サプライヤー、保守業務のプロバイダーなどが含まれる」としており、以下の主要企業がすでにこのアライアンス構築に参加している。
- ボロレ・ロジスティクス
- キャセイパシフィック航空
- FLYdocs
- 香港エアクラフト・エンジニアリンググループ
- ラムコ・システムズ
- SITA
- ウィリス・リース・ファイナンス
MRO ブロックチェーン・アライアンスは、ブロックチェーン技術を利用し、移動、所有権、耐空性、保守記録までを含めて、航空機部品の全ライフサイクルを通じた生産物流管理を追跡する。ブロックチェーンを利用した航空機部品の追跡記録により、世界の業界ではおよそ35億ドルの経費削減が期待できるとされている。
概念実証は数ヶ月後にリリース予定である。