州公認のEスポーツ委員会が、政府や業界関係者に与える課題と機会

1000 649 David Hoppe

カリフォルニアのゴールドラッシュやオクラホマのランドラッシュと同様、Eスポーツラッシュがもたらす経済的機会は、疑わしい慣行、倫理に反する行い、明らかな違法行為を抑制できる業界の能力を上回ります。

NewZooは、新型コロナウィルスによりライブで行われる国際eスポーツトーナメントがキャンセルされたことを考慮しても、Eスポーツが2023年までに年間16億ドルの収益を得ると予測しています。Eスポーツファン、視聴者、スポンサーの熱狂が今回のパンデミックにより冷え込むことはありませんでした。実際に、外出禁止令によりビデオゲームをする人が増え、まったく新しい市場がゲーミング競技に晒されることとなりました。

ただし西部開拓と同様、Eスポーツを規制、許可、管理する取り組みは、よくても断片的なものです。一部の国では、プレーヤー、チーム、リーグ、トーナメント主催者を互いに保護するための法律が公布されており、一貫した規則を施行することを目的として準専門家協会が誕生しています。しかしこれらの取り組みは、Eスポーツが直面しているすべての課題への対処、すべての利害関係者からの意見の考慮、プラットフォーム、ゲーム、および管轄区域にわたる権限を確立することができていません。Eスポーツ最大の市場の一つである米国は、eスポーツに関与する個人と組織にフェアプレーと行動規範を保証するための連邦レベルでの対策をほとんど講じていません。

州が主導権を握ることができる機会

対策が欠如している状況は空白を生み出す一方、州、郡、市に機会の扉を開きました。Eスポーツを規制する主導的役割を得るため積極的に動く州にとって、Eスポーツは前例のない経済成長を誘発する可能性があります。公正で普遍的で合法的な手続きを迅速に策定する自治体には、ギャンブルがネバダ州に、インターネットがシリコンバレーに、映画産業が南カリフォルニアに与えたのと同様、Eスポーツは活気を与えることができるでしょう。管轄区域がeスポーツ規制の頂点に旗を立てるのを競い合うにつれ、ビデオゲーム、デジタルメディア、知的財産、その他の関連する法律分野のすべての側面で経験豊富な弁護士チームと連携することが不可欠であると明らかになるでしょう。

Eスポーツから利益を得る態勢が整っている利害関係者は、業界の許可や規制に向けた州の進捗状況を常に把握している弁護士と連携することで、ますます恩恵を受けることができます。たとえばトーナメント主催者は、Eスポーツの管轄が明らかになった時点で、主要なイベント開催場所と日付を確保したいでしょう。チームは、先行者としての要件に準拠していることを確認し、収益の大きいトーナメントやリーグから締め出されないようにする必要があります。プレーヤーは、個人の行い、適格性、パフォーマンス向上薬などに関する規制委員会の規則を理解しなければなりません。

強いインフラ基盤と大規模な会場を備えた観光客に優しい目的地は、Eスポーツイベントを誘致するための先天的な優位性を持っています。利害関係者は、「軽妙な」規制と業界との非敵対的な関係で定評のある相手とは進んで協力する傾向にあるでしょう。

Eスポーツ委員会がEスポーツ規制当局として台頭するために、管轄区域が主に取り組まなければならない領域が3つあります。Eスポーツの取引や組織に関して経験豊富な弁護士は、委員会や州の顧問弁護士と連携して、次のような微妙に異なる課題を解決することができます。

1.)正当性
州、郡、または市の委員会が効果的であるためには、利害関係者から受けた任務を遂行する能力を証明し、すべての当事者がそれらの決定を尊重し、遵守する価値があると見なす必要があります。

さらに統括機関は、その決定が単に法律に沿っているだけでなく、倫理的や常識的な基準によっても正当化されることを明らかにしなければなりません。自薦された協会や連盟が非効率的であることにより、境界内でのEスポーツイベントを規制、管理する州の権限を確立することが容易になります。一方で、リーグを展開する軸となる知的財産がゲームパブリッシャーに所有されているという事実は複雑さを与えています。

ゲームの所有権を持つことは、Eスポーツ自体を所有することに等しいです。ゲームパブリッシャーは適切と思うリーグ、トーナメント、または物理的なゲーミングサイトに対して、ゲームの使用を許諾または拒否する権利を有します。パブリッシャーがルールを気に入らない場合は、踵を返すこともできます。州のEスポーツ規制委員会が効果的であるためには、軽妙さを行使し、プレーヤー、チーム、スポンサー、主催者に対して、敵ではなくパートナーであるというイメージを打ち出さなければなりません。委員会は「調停役」として機能し、いくつかの基本的なガイドラインに従うことで、管轄内でリーグとトーナメントがスムーズに運営できるようにする必要があります。

2.)権限
正当性の懸念を巧みに利用して、州は境界内でEスポーツがどのように運営されるかを決定する作り付けの権限を享受しています。たとえば、議会がすでにeスポーツ委員会の設置を検討しているネバダ州では、ボクシングと総合格闘技の試合開催を決定する委員会の運営に成功しています。州のボクシング委員会は実際に成功を収めましたが、他の政府が伝統的なスポーツに影響を与えようとする試みは失敗しました。主要なスポーツはとりわけいくつかの独占禁止法から免除されています。格闘技は、領域内でEスポーツの実施規則を公布しようとしている管轄区に貴重な教訓を与えるでしょう。

20世紀後半にボクシングがWBA、WBO、WBC、IBF、その他の団体に枝分かれしたように、今日のEスポーツには有力な統括組織が欠如しています。この「構造特性」の不在は、カジュアルゲーマーから愛好家、地元のトーナメント優勝者、精鋭のツアープロのプレーレベルにまで及びます。ゲームの規制を試みる州は、フェアプレーと競争力のバランスを保証するために、リーグのランク付けシステムと「体重別階級」を監督しなければなりません。州には次のような違反を防止、調査、裁定、処罰するための基盤が整っているでしょう。

  • 汚職と収賄
  • 暴力
  • 性差別、人種差別、同性愛嫌悪、またはその他の偏見あるスピーチやソーシャルメディアの投稿
  • パフォーマンス向上薬

重要なことは、一貫性があり、公正で、利害関係者が同意できる規制を維持することです。そのためには、完全契約、ライセンス契約、行動規範、エンドユーザー方針が必要です。ビデオゲームとEスポーツの弁護士は、これらの広く受け入れられる書類を作成し、法的な異議申し立てからも守るようにできるでしょう。

3.)賭博
今年の世界的な掛け金は120億ドルに達すると予想されますが、Eスポーツ賭博は見て見ぬ振りをされている問題です。直接対決またはバトルロワイヤルゲームのプレーヤー間、および賭ける人と賭け業者の間の賭博は、違法行為に全体的な追加の側面と誘惑を加えます。試合の賭けに対してどのように取り組むのが最善かという問いは、一筋縄ではいかないことが分かります。課題を管理する能力が最も高い管轄区であるネバダ州で現在、起草されている法案でさえ、そのことに対処していません。公正な立場で言うならば、ネバダ州はEスポーツの賭けを許可し始めており、その活動は州のゲーミング委員会によって規制されています。Eスポーツの賭けの合法化を先導したネバダ州に続くニュージャージー州は、トーナメントプレーヤーや観客の中心地となる役割よりも、賭け金による収益を生み出すことを目的としているようです。一方で、ニュージャージー州の経済開発局は、Eスポーツの発展を促進するビジネスを支援するプログラムを発表しました。

業界で注視している多くの人は、他の州がEスポーツ賭博を早々に認めることを期待しており、これはゲームプレイの秩序を保つのに役立つでしょう。彼らはeスポーツ業界のことを、賭け業者、ゲーミング委員会、州のEスポーツ当局が乗り込み、ロイ・ビーンの役割を担うための準備が整ったペコスの西の未開拓地と見なしています。彼らは異常な賭け行為を監視し、報告し、プレーヤーの疑わしい決断を調査することができます。

Eスポーツ委員会の設立を検討している州にとって、賭け競技に内在する税金と事業開発による利益を割り出さないのは愚かなことです。オンラインのリアルマネー・カジノ、権利のあるパブリッシャー、トーナメント主催者にとって、ゲームプレイ、構造、ポリシーを、州による一連の規制をベースとした策定途中のポリシーに合わせることにより、おそらく多くの機会が存在するでしょう。情報入力や開始の段階で、スキルベースのゲームメーカー、Eスポーツチーム、知的財産所有者、その他の主要な業界プレーヤーに助言を行った弁護士チームと連携することにより、州が動き始めた際の承認時間を短縮できます。

先導的役割を担う

ゲームパブリッシャー、チーム所有者、eスポーツ競技者、その他の管轄区の業界管理から利益を得ることを目的とする人は、規則と運用を標準化するための州の取り組みに進んで情報を提供する必要があります。成功するために利害関係者は互いを必要としますが、規制を監督する政府当局なしには、彼らは特定のビジネスと個人的な利益を追求する傾向にあります。断片的な統括組織、地理的・文化的な違い、また一貫した規則や基準、罰則の欠如によって残された空白を州が埋める機会は十分に存在します。

Eスポーツの規制に熱心である州は、ヨーロッパで採用されている規制に精通している弁護士の助けを求めることができるでしょう。英国、ドイツ、フランスでは、Eスポーツの活動領域を規制しています。賭博と賞金の観点からゲームを定義しているところもあれば、Eスポーツのプロ選手とチーム会員に関する移民と労働の課題に取り組んでいるところもあります。他の国々は今のところEスポーツを、実際の競技とリーグとは異なって扱うことにしています。

規制に関与する他の当事者には、ネットワークを介して行われるトーナメントのルールを標準化しようとしているゲームストリーマーや放送局が含まれます。これらの利害関係者と連携し、プレーヤーとメディアとの取引を調整し、IP契約を交渉し、リアルマネー・ゲームの規制の舵取りをした法律事務所は、州が成功するために不可欠なEスポーツ競技や賭け業者を体系化し、プロ意識を高めるのに役立つでしょう。業界の経験がある弁護士は、公正で効果的なEスポーツ委員会の方針を作成する際に、これらの組織から自己利益を取り除きながら、州を支援するために規制や課題を照合することができます。

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David Hoppe

All stories by: David Hoppe

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