AppデベロッパはどのようにAppleのIDFAオプトイン要件に適応できるか

AppデベロッパはどのようにAppleのIDFAオプトイン要件に適応できるか

AppデベロッパはどのようにAppleのIDFAオプトイン要件に適応できるか

1000 648 David Hoppe

今年はじめ、AppleはiOS 14の最新アップデートで、ユーザープライバシー保護をより強化すると発表しました。このiOSのアップデートにより、Identifier for Advertisers(「IDFA」)へのデフォルトアクセスができなくなり、これはAppデベロッパにとって大きな試練となります。IDFAとは、デベロッパが広告アトリビューションやターゲティング、リターゲティング、アナリティクス、その他のビジネス関連タスクに利用する一意のデバイス識別子です。これまでは、アプリはIDFAをデフォルトで取得できましたが、今後はユーザーが「オプトイン」する、つまり承諾する可能性はさまざまな概算からおよそ10%になると考えられており、ほぼ普遍的なアクセスが可能になっている現在の状態に比べると劇的な減少になると思われます。

IDFAのデフォルト取得の変更がAppデベロッパに及ぼす影響

このように、取得できるIDFAが劇的に減少すると予測されるため、デベロッパが広告アトリビューションサービスを利用して、モバイルトラフィックを追跡する能力が低減し、ターゲティング広告の効率が低下します。つまり、Appデベロッパと所有者は、広告を収益化し、ユーザーを獲得することが難しくなるのです。その結果、ユーザー獲得が今までより高額になり、最低80%のアプリパブリッシャーの収入源になっている広告主からの収入が減ることになります。これは、膨大な数のデベロッパとパブリッシャーにとって現実的な脅威となります。




適応は可能

iOS 14のオプトイン化システムの全面的な導入と実施は2021年初頭まで発効しないため、この難題に対処するためにデベロッパが実行できる措置があります。

要請のフォーマットとタイミングをカスタマイズ

承諾要請は強制されることになりますが、デベロッパは、表現と表示をカスタマイズすることで、ユーザーがユーザーデータの収集に同意しやすいようにすることができます。Appleが提供するデフォルト表現である「(アプリ名)は、他社が所有するAppやウェブサイトを横断してあなたをトラッキングする許可を求めています」をそのまま使用することもできるほか、Appleのガイドラインに準拠する範囲で独自の表現を使うこともできます。どちらを選ぶにしても、2つ目のポップアップ生成オプションを利用することが推奨されます。そこではデベロッパは、データをどのように使用するのか、そしてデータを共有することでユーザーがどのようなメリットを受けられるのかについて説明できます。例えば、より関連性のあるコンテンツやコンテンツを継続的に受け取る能力、またはターゲット広告を許諾する代わりにアプリが無料で利用できる(Spotifyのように)などのメリットです。ユーザーから承諾を得る前にデベロッパがデータ収集を開始することはできないものの、直ちに承諾を求める必要もありません。ユーザーが同意しやすいと思える状況になるまでポップアップを遅らせることもできます。例えば、ターゲティングされておらず、関連性のない一連の広告を見続けた後にそのポップアップを表示することも可能です(これもSpotifyと同様です)。あるいは、ゲーマーがゲームの無料レベルをクリアした後で承諾を求めるようにすることもできます

トインによるメリット(ただし注意が必要

デベロッパは、ユーザーのIDFAへのアクセス承諾と引き換えにプレミアムサービスを提供することができます。これは非常に価値の高いものですが、未知の領域であるため、弁護士への相談が推奨されます。デジタルメディア専門の弁護士なら、オプトイン要請がデータ収集と使用やリンク化、またユーザーやトラッキング、そしてプライバシーに関するAppleの開示要件を満たしているかを確認できるほか、既存の個人情報保護方針に沿った上で、デベロッパが事業を行っている地域の法律に準拠しているかどうかの確認もできます。また、プライバシーステートメントやオプトイン要請が、サービスから個人を特定できる情報を削除したり、IDFA承諾を反故にする権利、データの共有や販売の禁止など、CCPAおよびGDPRで必須とされているより厳しい開示およびユーザーオプションに対応しているかも弁護士が確認できます。デベロッパは、ポップアップの小見出しをカスタマイズすることができるだけでなく、それがユーザーインタラクションのどの時点で表示されるかを選択することもできるようになります。

広告パートナーとのクリエイティブな協力を進める

デベロッパと同様、広告主も来たるiOSの変更点を慎重に見守っています。デベロッパも広告主も、膨大な数のユーザーに対し、価値あるコンテンツを提供すると言う目標を最大化したいところは共通しています。そのため、戦略的なデベロッパは広告パートナーと協力し、ユーザーにIDFAを共有するようオプトインしてもらう方法を検討することもできるでしょう。例えば広告主は、新しくブランド化されたゲームツールや、デザイン、賞品、またはレベルへの資金をオプトインと引き換えに提供することを考慮してもいいかも知れません。そうしたイニシアティブの構築や導入にも、やはり弁護士の意見を求めることが推奨されます。モバイルアプリの状況は迅速に変化していますが、計画とサポートがあれば、デベロッパも広告主も先手を打つことができるでしょう。

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David Hoppe

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