2019年はeスポーツ実況配信者にとってのタレント争奪戦となり、Twitchは大きな才能を少なからず失いました。Twitchのトップ配信者であるNinjaは、およそ5000万ドルの高額取引でTwitchのプラットフォームを去りMixerに移籍しました。NinjaはTwitchに1600万人のフォロワーを持っているため、当プラットフォームにとっては大きな損失となります。また、ShroudやCouRageなどの著名な配信者も数名が2019年後半の数ヶ月でYouTube GamingとMixerに移籍しています。
こうした離脱の影響はStreamlabsとNewzooの新たなレポートからもわかります。2019年の第4四半期のTwitchの視聴率は、2018年に比べて10%近く減っており、競合であるMixerとYoutube Gaming Liveは2019年の視聴率が大きく伸びています。
これとは対照的に、MixerとYouTube Gamingの昨年度の視聴率には 大きな伸びがありました。
Mixerの第4四半期は2018年の同時期に比べて33%増加していますが、2019年の視聴率のピークは第2四半期に起きており、これはNinjaが専属の配信者として契約する以前のことです。実際、Ninjaの契約後、Mixerの視聴率は毎四半期ごとに減っています。NinjaがいなければMixer が苦戦を強いられるのは間違いないものの、Ninjaだけでは視聴率を伸ばすことは難しいようです。
しかし、新たな配信者の契約後、Mixer の「総再生時間」は急激に伸びています。大物小物を問わず多数の配信者が参入し、移籍が波及効果を及ぼしたとものと思われます。
YouTube Gamingも2019年は著しい成長を見せました。第1四半期から第4四半期までに、ストリーミングプラットフォームの視聴率が46%増加したのです。YouTube Gamingは数名の著名な配信者と契約しましたが、YouTube Globalのゲーミングのヘッドであるライアン・ワット(Ryan Watt)氏は、プラットフォームではこの年の主なトップeスポーツイベントのほとんどを配信しており、それも成長を後押ししたと述べています。損失はあったものの、それでもTwitch は依然として支配的な位置付けにあり、ストリーミング界の巨人として、年間を通じた総視聴率は増加しています。2018年に比べ、2019年はプラットフォームで12%の視聴率の増加を記録しました。