Eスポーツ ニュース:任天堂がスーパースマッシュブラザーズへの賞金プール支援に消極的な理由を説明

Eスポーツ ニュース:任天堂がスーパースマッシュブラザーズへの賞金プール支援に消極的な理由を説明

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Eスポーツ ニュース:任天堂がスーパースマッシュブラザーズへの賞金プール支援に消極的な理由を説明

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任天堂の取締役である古川俊太郎氏は、最近の日経新聞へのインタビューでスーパースマッシュブラザーズの賞金プールを支援しない理由を述べた。古川社長はインタビューで、任天堂はプロプレイヤー向けトーナメントに限らず、幅広いイベントに参加したいと考えていることを説明し、多様なプレイヤー基盤のニーズを満たすことは任天堂ならではの強みであると述べている。

Kotaku(コタク)の翻訳によると、古川社長は「反対している訳ではありません」とし、「弊社のゲームを経験、性別、年齢に関係なくどなたにも幅広く楽しんでいただくため、様々なイベントに参加できるようにしたいと思っています。弊社を差別化する強みはこうした他とは異なる世界観であり、賞金の額ではありません。」と述べた。

任天堂がスマッシュブラザーズの賞金プールに消極的であるため、スマッシュブラザーズは他のEスポーツタイトルに比べて非常に利益になりにくい。スマッシュブラザーズシリーズにおける過去最高額の賞金プールは、2017年におけるSmash Summit 5での『大乱闘スマッシュブラザーズDX』の8万3000ドルである。年間で最も人気の高い格闘ゲームトーナメントであるEVOの場合でも、去年の賞金プールは3万5000ドルに過ぎなかった。参加者のうち4位以下だったものは誰でも、旅費だけで赤字だったことだろう。

それに比べてエピック・ゲームズは2019年だけでもフォートナイトの賞金で1億ドルを提供している。最大のトーナメントであるフォートナイト・ワールドカップ決勝戦では、賞金プールが3000万ドルを超えた。賞金プールが大規模になれば、競技シーンへ参加するハードルが低くなり、プレイヤー基盤が広がる。トーナメントでプレイすることで生活費を稼げるプレイヤーが増えれば、時間を割いてトッププレイヤー層に入ろうと意欲を燃やすプレイヤーも増えることだろう。

だが、自らのコメントにも関わらず、古川社長はEスポーツに対しては好意的で、同インタビューではEスポーツを「ビデオゲームの素晴らしい魅力」の一つであると述べているばかりでなく、任天堂はスマッシュトーナメントには賞金を提供しないものの、トーナメントを支えるロジスティック面での支援を頻繁に提供している。また、過去には任天堂が主催するスマッシュトーナメントも開催している。

今後も任天堂は競技シーンに慎重ながらも挑戦していくだろう。例えば、最近リリースされた『ポケットモンスター ソードシールド』ではオンライントーナメントを運営しており、去年はE3と同時期に『スプラトゥーン』のSplatoon World Championshipを開催している。

著者:  David Hoppe

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David Hoppe

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